職人に学ぶ伝統工芸、日本の和アート。漆工(しっこう)職人集団の古一(こいち)漆工。

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砥ぎ

これまでご紹介の阿弥陀如来像、仏師の先生による仕上げ彫りが終わり、今現在こいちの工房内で、職人による研ぎ作業が黙々と延々と行われております。
『研ぎ』とは、紙やすりや砥石、布に灰をつけたもので研いだり磨いたりして表面を仕上げていく作業で、木地(きじ)の傷や凹凸をなくして滑らかにしていきます。木材の毛羽立ちを抑えて長期的な耐久性を高める役目もあり、この後の漆を塗っていく下地工程、塗り工程、その美しさを左右する非常に重要でありながら、とてもとても地味な作業でもあります。

阿弥陀如来像の手の組み方_仕上げ彫り

この写真のように、仏師の先生が彫られたばかりの手もなかなかに滑らかで、どのようにして彫られたんだろうと不思議に思っていましたが・・・

阿弥陀如来像の手の組み方_研ぎ

見てくださいッ! 職人の研ぎ作業が終わった後の阿弥陀如来像のお手を。さらに滑らかになり、人の手のような温もりさえもまとっています。仏師の先生の技量と相まって、見方によっては動き出しそうでちょっと怖いです、明日見たら手の組み方が変わってたりしてぇ〜w

阿弥陀如来像の手の組み方

ちなみに、仏師の先生に教えていただきましたが、この阿弥陀如来像の手の組み方(印相:いんそう)は、阿弥陀定印と呼ばれ最高位とされることも多く、阿弥陀如来特有の印相で瞑想の状態を表しているのだとか。

座禅体験なんかで、よくされる定印(じょういん)をすっ飛ばして真似たりしたら、バシッと肩に警策くらったりして〜。私なんか、ええかっこしてやりがちですぅ苦笑。

話を元に戻して、この研がれた木地、言うなればこの美しい素肌を目にするのは作業をする職人だけ。誰にも見られることなく漆の下に隠れてしまうのに、その出来栄えを左右する大切な作業。であるからこそ、漆職人としての技術も研ぎ澄まされていくんだろうなと感じ入る今日この頃です。

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