漆工
私たちは、漆塗りの技術を専門に扱う漆工(しっこう)職人集団で、
主に社寺建造物や神具・仏具の修復、新調を手掛けています。
日本人の歴史と美意識が凝縮
古くは縄文時代より、さまざまな素材とともに長い歴史と文化をつくりあげてきた漆。漆工が施されたものは、丁寧に丹念に繰り返し作業することのできる、日本人ならではの美しさと強さが具現化されたものと言っても、過言ではないはずです。


多くの工程が生み出す
堅牢な気品
漆塗りの技法は大きく「下地」と「塗り」に分かれていますが、それぞれにおいて、また漆を塗る素材に応じて多種多様な工程を経てつくられています。それら工程ひとつひとつ積み重ねることにより、漆の性質を最大限に活かした強さと美しさを生み出します。
塗って固めるのが漆
ペンキなどの一般的な塗料なら、「塗って乾かす」ですが、漆の場合は、「塗って固める」といった表現の方が的確です。科学的にいうと、酵素反応による酸化重合ということになりますが、この「固まる天然塗料」の特質をつぶさに見極め、小物から建造物まで巧みに施していくことが私たちの仕事です。


丹念に丹念に繰り返す
漆工による艶やかな色、気品ある風合い、やさしい手触り、腐敗防止や防虫効果もある耐久性は、各工程職人一人ひとりの丹念な作業の繰り返しによって生み出されています。漆と聞くと、漆器ばかりにフォーカスされがちですが、皆様の身近にあるお寺や神社、観光で訪れた先々においても皆様を魅了していることを知っていただければ幸いです。