久しぶりのブログ更新です。
二月は和歌山県の潮岬東部にある「紀伊大島」というところへいってきました。
ほぼ本州最南端。
140年前に建てられた灯台官舎の修復工事に携わりました。
灯台は改良を重ねられながら現役で活躍し続けています。
しかしながら、その横にある官舎は灯台の無人化によって本来の役目をおえることとなりました。詳しいことはこちらを参照してください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/樫野埼灯台
いざ建物に入ってみると、内装はぼろぼろ!
触れば朽ち落ちるような風化をしていました。
内装には当時日本では貴重だった技術を用いて仕上げが施されていたようです。木目塗りという手書きの木目調仕上げです。
明治の初期にこのような手法を大胆に取り入れていたとは。。。
当時の官舎に対して相当なこだわりがあったのでしょうね。
木目塗りの一部分です。
※板ではなくて板みたいな絵です。西洋のトロンプルイユ(だまし絵)みたいな。
古い塗膜は貴重な文化財です。これを残すようにラッピングして
上から新たに木目塗りを施します。
私たちが行ったのは木目塗りの下地までですが
ふだんはお寺に漆を塗るのがほとんどなので
私たちにとっては貴重な機会でした。
伝統的な技術が、伝統的な文化を支えています。
今回は文化財保存の一躍を担うことができました。