職人に学ぶ伝統工芸、日本の和アート。漆工(しっこう)職人集団の古一(こいち)漆工。

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仏師 鹿取千恵

前回ご紹介の阿弥陀如来像を彫られた仏師の鹿取千恵(かとりちえ)先生。
仏師が女性であるということで驚きを口にされる方が少なくありませんでした。親方によると、仏師の世界はまだまだ男社会の色が濃く、時代にそぐわない慣習も根強く残っているのだそうです。そして、独り立ちし、名が通るほどの仏師となれるのは、極めて稀なことで、鹿取先生はその厳しい世界で着実に力と評価を積み重ねてこられた、希少な仏師のひとりだといいます。

仏師_鹿取千恵_阿弥陀如来像の手の組み方
〈阿弥陀如来像の印相(手の組み方)について教える鹿取先生〉

鹿取先生のこれまでの作品を拝見すると、一見、華奢に見えるその体のどこに、これほどの作品を生み出すパワーが秘められているのかと驚くばかり。そして、今にも動き出しそうな力強さだけではなく、やわらかく繊細な静の表現が緻密で卓越されていると、素人目に見ても感じることができ息をのんでしまうほどです。

“女性ならでは”と軽々しく言ってしまうことこそ、今の時代にそぐわないことを重々承知しているのですが、鹿取先生が刻み出す造形の柔らかさ・細部への目配りには、まぎれもなく先生ならではの視点と技巧が息づいています。

仏師_鹿取千恵_阿弥陀如来像の蓮華座02

親方いわく、誰が見ても簡単に鹿取先生の凄さがわかるのが、蓮華座(阿弥陀如来が座られる台座)だそうで、一枚一枚ここまで精緻に造形する仏師は、今はほとんど見なくなったといっても過言ではないとのこと。

そうしてみると、蓮華座や光背の方が本体よりも、実は難しかったりするのではないかと思ったりして、鹿取先生に尋ねると、「いえ、仏像本体の方がはるかに気がすり減ります。とくに、動きの少ない、静かに座すお姿の仏さまほど、心身の消耗が大きいんですよ」と穏やかに話してくださるのですが、そのお話は、また次回、ご紹介させていただければと思います。

仏師_鹿取千恵_阿弥陀如来像の蓮華座
〈蓮華座を含む仏像の高さと阿弥陀如来の目線について話をされる鹿取先生〉

これまでの鹿取先生の作品はこちらでご覧いただけます。
仏像彫刻師 紫雲苑(しうんえん) 鹿取千恵

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